忍び込む

2009年05月21日

するり、と夜が忍び込む
居ても立ってもいられない僕は
ありふれた近所のコンビニへとくべつの買い物にでかける

ミネラルウォーター、なぜかスーパーじゃぜったい買わない
1本しか買わないのは、流儀じゃなかった
沖縄のそばを買う
なぜって、食欲をそそらないから
なぜって、陳列棚にぼんやり鬼みそっこのようだったから
柿の種はワサビ味だ
王道を外れたワビサビを味わうのだ

ひとつ、ひとつ、秘密の調査員のように、棚の商品を点検する
これはとくべつの買い物なのだ
ひっそりと行う儀式なのだ

夜が忍び込んだ
寄る辺ない僕の心に
ひるむ隙さえ与えずに

3点で478円です
消え入るようなレジの女の子の声

儀式は終わっても
忍び込んだ夜はますます漆黒の度合いを深くする




by shu


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Posted by sweetblues at 21:52│Comments(0)作品
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