一青窈CONCERT TOUR 2010 花蓮街

2010年05月31日

グランシアタの入場口でもらったフリーペーパー。
独占インタビューにあったひとこと。
「これからはじまる、ということは何かを終わらせるということです。」

このことばが、このツアーを象徴してるように感じた。

コートを着て、壁の前に立つ一青窈。
手にはボストンバッグ。

旅人は、壁の向こう「花蓮街」にたどり着く。

去年見た、一青窈の音楽劇「箱の中の女」を連想させる。
http://blog.livedoor.jp/miyashu99/archives/51477503.html

ステージは、架空の街「花蓮街」を舞台に一青窈の案内で進行する。
が、
どうもセリフがしっくりこない。
説明的すぎて、彼女のもつことばの世界とはほど遠い。
もっと、胸にとどくことばを彼女はもっているはずなのに。

これはツアーが成熟していけば、進化するのだろうか。
前半は特にセリフ回しもこなれてなくて、ちょっとがっかり。

でも、伝えたい世界観はよくわかる。

あともうひとつのがっかり。
「もらい泣き」。
このアレンジでいいの?
って思った。

アルバム「花蓮街」の曲を中心にセットリストが組まれる。
最初のほうは、会場全体も面食らったような空気が感じられた。
どうのっていいのかわからないって空気。

これから一青窈はどう進化していくんだろう。
このぎくしゃくした違和感は進化の過程だろうか。

「進化窈×新歌謡」と題された昭和歌謡的アプローチは、「ハナミズキ」のイメージを求めるファンを裏切り、コアなファンに特化していくような気がする。
しかし、それは彼女が自分自身を突き詰めた結果なのだ。

詞で言えば私小説的世界から、歌謡曲の王道を行く虚構世界へ。
「ユアメディスン」は、その最たるものだ。傑作と思う。

CGを使ったBGVを背景に「ウラ・ハラ」「メイク~確信犯~メイク」「白昼夢」「Final Call」の怒濤の寄せは、圧巻だった。
これぞ一青窈の真価といってもよい。
ここらあたりから、違和感もなくなり、どっぷりと浸る。

「月天心」「大家」「ハナミズキ」。
やはり名曲。
よいなあ。心震えるなあ。

アンコールで「冬めく」が聞けてよかった。

「ハナミズキ」に代表される一青窈のイメージにけりを付け、
新たな一青窈を模索する「花蓮街」。

まだ完成形とは言えないと思うが、今後が楽しみだ。

by shu

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Posted by sweetblues at 01:21│Comments(0)本・映画・音楽
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